安全JAWSちゃんのハートLetter
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くれない族

今年もあと1か月で終わろうとしています。この時期になると気になるのが今年の「新語・流行語大賞」です。今年も「ドローン」、「爆買い」、「ラッスン ゴレライ」、「火花」など、さまざまな言葉が流行しましたが、みなさんにとっての今年一番の流行した言葉は何だったでしょうか。

この「新語・流行語大賞」は1984年(昭和59年)に「現代用語の基礎知
識」を発刊している自由国民社がスタートさせ、2003年(平成15年)に はユーキャンと提携し、現在は「ユーキャン新語・流行語大賞」となっています。はじまった当初は新語部門と流行語部門に分かれて、それぞれ金賞を筆頭として各賞が選ばれていましたが、1984年「新語・流行語大賞」の第1回流行語部門の銀賞に輝いた言葉が「くれない族」でした。

この言葉は、この年にTBSテレビで放映された大原麗子主演の金曜ドラマ
「くれない族の反乱」から生まれました。このドラマで「くれない族」とは、 夫や子供に対して「〜してくれない」という不満をもった主婦を指す言葉で、 「夫がかまってくれない」「子供が相手にしてくれない」「優しくしてくれない」「言葉をかけてくれない」「愛してくれない」「わかってくれない」などと、不満のすべての責任を夫や子供に向ける主婦をいいます。「くれない族」 は「夫のため、子どものためと一生懸命やっているのに、いったい私は何のために生きているのかしら?」と主婦たちが自分自身の価値を見失ってしまい、 生きている実感が失われることによって発生し、この症状は「責任転嫁の主婦
症候群」とも呼ばれました。最近ではお年寄りが「嫁が風呂に入れてくれない」と言うように、家庭の「くれない族」も高齢化が進んでいるとか・・・こうい
うお年寄りはボケやすいので注意が必要だそうです。

このような典型的な責任転嫁である「くれない族」は私たちサラリーマンの中にもたくさんいます。飲み屋でサラリーマンが言っている上司や部下の悪口をよくよく聞いてみると、「上司が指導してくれない」「部下が報告してくれない」「上司が評価してくれない」「部下が思い通りに動いてくれない」など、
「くれない族」は不平不満の責任を自分以外の何かに求めて、自分は責任逃れをしています。「くれない族」にとって、自分は絶対に悪くないのです。このように、サラリーマンの「くれない族」は何も自分から行動を起こさないのに、 結果を他人のせいばかりにして批判する人で、自分からは仕事を求めずに人から与えられるのを待っている「依存心の強い人」なのです。

このように、「くれない族」はどこの職場や家庭に存在します。もし、これを お読みのあなたが「くれない族」であるのなら、ぜひ変わってください。物事 の結果は、良くても悪くてもすべて自分の責任なのです。それを他の人にグチ
を言っても何の解決にもなりません。自分から仕事や家庭への参画意識を持ち、周りの人に依存するのではなく、自分の責任においてすべての行動を行うことが、これからの私たちには必要なのです。

最後に、史上最年少、43歳でアメリカ合衆国大統領になったケネディ大統領の就任演説を紹介します。「アメリカ国民のみなさん、国があなたに何をしてくれるかではなく、国のためにあなたが何をすべきかを考えてください」(終)。

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