安全JAWSちゃんのハートLetter
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ハートLetterは産業カウンセラーキティこうぞうがお届けします。
アンガーマネジメントG

今回もイライラや怒りをうまくコントロールしてストレスを軽減する「アンガーマネジメント」についてお話ししていきます。

今までアンガーマネジメントについて学んできたことを一度整理します。ま
ずは怒りをよく理解するために「怒りは連鎖する」、「怒りの感情は第二次
感情」、「怒ることは損」などを勉強しました。そして、「急な怒りに対してうまく対処する」ために「怒りのレベルを測るスケールテクニック」、 「怒りを6秒遅らせるディレイテクニック」、「怒りの表現を増やすボキャブラリーゲーム」などを勉強しました。今回からは、アンガーマネジメント
で最も重要な怒りのコントロール法である「怒りっぽい性格を根本的に変えていく」、つまり「怒りやすい体質を改善する」ための方法を勉強していきます。

みなさんは花粉症になったことはありますか。私は花粉症になったことはあ
りませんが、花粉症は辛いそうです。このように、花粉症は同じ花粉に対し
てアレルギー反応を起こす人と起こさない人がいます。花粉に対して過剰に反応する人は鼻水が多く出ます。花粉症で鼻水が出れば、まずは「花粉症についてよく理解する」ために、花粉症について人に聞いたり、自分で調べたりします。そして、「出てくる鼻水に対して対処する」ために、薬を飲んだ
りして症状を緩和しようとします。つまり、「鼻水を止めたい、目のかゆみを抑えたい」という短期的な対処をします。

自分が花粉に対してアレルギー反応を起こしにくい体質になるのが本当は一番いいのですが、そんなすぐには体質改善できない。だから、まずは短期的な対処をして、それから長期的に少しずつアレルギー反応への体質改善をしていきます。アンガーマネジメントも花粉症の対処と一緒です。まずは怒りを理解し、次に怒りの症状に対処し、そして怒りやすい体質を改善していくという流れで怒りをコントロールしていくのです。

怒りの感情を突然あらわす人のことを「キレやすい人」と言ったり、「瞬間湯沸かし器」などと表現しますが、アンガーマネジメントの考え方では人が怒りを感ずるメカニズムは、「出来事との遭遇」「出来事の意味づけ」「怒 りの発生」の3段階を踏みます。いくら「瞬間湯沸かし器」の人でも、出来事と遭遇したことに対して、いきなり怒ったりはしません。人は遭遇した出来事に対し、自分が「こうであるべき」と信じていることを裏切っていないかを基準に、その出来事に意味づけをします。自分の基準を裏切っていると判断すると、以前に勉強した「怒りの感情は第二次感情」により、まず「悲しい」「つらい」などの「第一次感情」が発生します。それを器に貯めようとするのですが、器が満タンになると「第二次感情」である怒りが生まれるのです。

花粉症は、別に花粉が悪いわけではありません。単に、その人がその花粉に反応しているだけです。同じ花粉に対して反応を起こす人と起こさない人がいます。怒りも花粉症と一緒です。遭遇した出来事が悪いのではなく、その人が出来事に反応しているだけです。そして、同じ出来事でも怒る人と怒らない人がいるのです。部下と待合せするときに自分より相手が早く着いてないと怒る上司もいるし、時間に間に合えばいいと思っている上司もいます。
「部下は上司よりも早く来るべき」という出来事の意味づけをすると怒りが
発生するのです。つまり、出来事そのものが怒りを生むのではなく、自分の中での「出来事の意味づけ」に原因があるのです。出来事を自分の中の基準に照らし合わせ、正しいか否かを判断し、その結果が許せないと怒りが生まれるのです。同じ出来事に遭遇しても、怒る人とそうでない人がいるのは、判断基準が人それぞれであるからです。そこで、自分自身の判断基準を知り、判断基準を緩和していくことが怒りやすい体質を改善していくために重要となります。次回 からは、具体的に怒りやすい体質を改善していく方法について勉強していきましょう(終)。

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