安全JAWSちゃんのハートLetter
過去の記事
ハートLetterは産業カウンセラーキティこうぞうがお届けします。
アンガーマネジメントH

今回もイライラや怒りをうまくコントロールしてストレスを軽減する「アン
ガーマネジメント」についてお話ししていきます。

さて、前回は人が怒りを感ずるメカニズムは次の3段階を踏むことを勉強し
ました。具体的には、「出来事との遭遇」「出来事の意味づけ」「怒りの発生」の3段階を踏みます。そして、第一段階の「出来事との遭遇」が怒りを生むのではなく、第二段階の「出来事の意味づけ」に原因があることをお話ししました。出来事を自分の中の基準に照らし合わせ、正しいか否かを判断 し(意味づけをし)、その結果が許せないと怒りが生まれるのです。

たとえば、あなたが仕事で会社の後輩と待ち合わせをしていて、後輩が待ち 合わせ時間に遅れてきたとします。あなたは後輩に「何で遅れてくるんだ」、 「何をやっていたんだ」と怒りを伝えました。あなたは待たされてイライラ
していました。後輩が遅刻してきたことが、イライラの原因でしょうか。遅れてきた後輩が、あなたを怒らせたのでしょうか。それとも、以前から遅刻が何度もあったということを思い出して、怒っているのでしょうか。怒りの原因は、後輩自身や「後輩が遅れてきた」、「後輩がいつも遅れてくる」という出来事でしょうか。

私たちを怒らせるものの正体は、「べき」という言葉で表すことができます。
「べき」は自分の願望、希望、欲求を象徴する言葉です。私たちはそれぞれ
オリジナルの「べき」をもっています。「上司はこうあるべき」、「部下はこうあるべき」、「人はこうあるべき」などです。この自分の持っている「理想」と実際に起こった「現実」のあいだにギャップを生じると怒りが発生するのです。先ほどの話は、「後輩はこうあるべき」「後輩は待ち合わせの時間を守るべき」というあなたの理想に対して、「後輩が遅刻した」という実際に起こった現実が発生したため、そのギャップに怒りを感じて、後輩に「何で遅れてくるんだ」、「何をやっていたんだ」と怒りを伝えたのです。

怒りの原因は、後輩自身や「後輩が遅れてきた」、「後輩がいつも遅れてく
る」という「出来事との遭遇」ではありません。「後輩はこうあるべき」 「後輩は待ち合わせの時間を守るべき」という、あなたが持っている「出来事の意味づけ」に原因があるのです。もしあなたが、「後輩も待ち合わせに遅刻することがある」、「遅刻は誰にでもある」と思っていたとすれば、 「怒りの発生」にはつながらなかったでしょう。つまり、あなたが持っている理想である「べき」が怒りを発生させているのです。

まずは、これらの「べき」についてよく考えてみてください。これらの「べ き」は個人の価値観に由来するものであるため、絶対的な正解はありません。
ただ、本人にとっては常に「正解」となります。ただ、多くの「べき」は年 代や立場によって変わります。たとえば、私が子供のころは「知らない人にも挨拶はすべきである」と教えられましたが、近年は「知らない人には注意すべき」という教えに変わってきています。また、「自分のやりたいように仕事を進めるべきだ」と言っていた人が、自分に部下ができたら「上司の言うとおりに仕事を進めるべきだ」に変わることもあります。

「べき」に絶対的な正解はありません。アンガーマネジメントで大切なこと は自分の「べき」と他人の「べき」の違いをよく理解し、まずは「これを破ると私は怒りますよ」という自分の「べき」を相手に示しておくことです。
そうすれば、周囲の人があなたを怒らせるような「出来事の遭遇」を少なく
することができます。「私は時間を守る人間です。時間に遅れることを許し ません。」と後輩に言っておけば、遅刻の発生を防ぐことができるかもしれ
ません。

次回は、この「べき」をもっと詳しく分析し「出来事の意味づけ」を変える
ことによって「怒り」をコントロールしていく方法を勉強しましょう(終)。

このページを閉じる