安全JAWSちゃんのハートLetter
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ハートLetterは産業カウンセラーキティこうぞうがお届けします。
心が折れる職場

日本メンタルヘルス講師認定協会の代表理事で、私自身も公私でお世話になっている見波利幸氏の著書「心が折れる職場」(日本経済新聞出版社)を読ませていただき、その著書を参考に、私なりに「心が折れる職場」を10のパター ンに分けてみました。みなさんの職場がこんな職場でないことを祈りますが、 職場のメンタルヘルス対策の参考にしていただければ幸いです。

@職場での飲み会が「打ち合わせのような飲み会」になる職場
職場での飲み会や食事会の回数が多いか少ないかではなく、職場を離れたとこ ろで会話をしても「打ち合わせのような雰囲気」になっているような職場です。
職場においても雑談やプライベートなことを話さないどころか、場合によって
は「仕事の話」すら気軽に話しづらい雰囲気になっているような「会話の少な い職場」は要注意です。

Aニュース番組しか観ない人が集う職場
本でいえば直接仕事に役立つビジネスのノウハウ本や経営知識の本、テレビで いえばニュースやドキュメンタリーばかり読んだり観たりしている人が多い職 場です。よく小説を読んだり、いつも映画やドラマを観ている人は仕事でも自分の感情を動かすことができ、仕事の達成感や充実感を得ることができます。
「感情を仕事に持ち込んではいけない」という雰囲気の職場は要注意です。

B急に太る人が続出した職場
一般的に「急に痩せた」というのが心身の不調のサインと言われていますが、 ストレスが高くなると「急に太った」ということも起こります。ストレスが高
くなることによって、食事と休養(睡眠を含む)、そして運動のバランスが崩
れ、それが人間の体の様々なホルモンに影響し、体重増加につながるのです。 急に太る人が続出した職場は要注意です。

C会社と家だけの往復で毎日を過ごしている人が多い職場
会社と家以外に趣味や様々な活動の場を持っていると、たとえ仕事で思い通り にいかないことがあったり、仕事で上司に認められていないとしても、承認を 得る機会が増え、ポジティブな考え方をすることができるようになります。会社と家だけの往復で毎日を過ごしている人が多い職場では、ネガティブな考え方が充満するので要注意です。

Dトラブルが起こると責任を問われて一人で対処にあたる職場
仕事でトラブルが起こったときに一緒に解決策を考えてくれたり、客先に謝罪してくれたりする上司がいる職場はいいのですが、「あなたが悪いから」や「どうやって責任を取るつもりだ!」などと部下を責めて、部下に一人でトラブルを背負い込ませるような上司がいる職場は要注意です。

Eスピード出世した上司がいる職場
出世が早い人は若いときに現場の仕事でかなり優秀な成果を上げているため、「できない部下」がなぜできないのか理解できません。部下から仕事の悩みを相談されても、話を聴かずにアドバイスを押し付けてしまったり、「どうすればいいでしょうか」と尋ねても「それを考えるのがあなたの仕事です」と突き放したりする上司がいる職場は要注意です。

F自分の仕事ばかり優先する上司のいる職場
上司は野球やサッカーの監督のように、一人ひとりの部下の個性をしっかり見極めたうえで、どのように有機的に結びつければ組織のパフォーマンスが最大化するかを考えることが仕事です。つまり、自分の手を動かすよりもメンバーのモチベーションを高め、スキルや知識の不足があればそれを補い、行き詰ったメンバーがいればしっかりフォローすることが仕事なのです。それなのに、自分の仕事ばかりに集中して、自分の仕事の成果を部下に自慢しているなど、部下のことに関心のない上司がいる職場は要注意です。

G社員より会社の業績や成長を優先する上司がいる職場
経営者が業績向上や成長を重視する会社は多いですし、決して悪いことではありません。ただ、会社の業績向上や成長のためには社員が気持ちよく働ける環境をつくることが大切です。会社の業績向上や成長を追い求めすぎて社員の健康をおろそかにしている職場、そして経営者の顔ばかり気にしながら経営者の方針ばかりに従順に従っている上司のいる職場は要注意です。

H「ホウ・レン・ソウ」に厳格な上司がいる職場
「職場ではホウ・レン・ソウが大切だ」というのは、あくまでも部下が自主的
に行うことを言っているのであって、上司が押し付けることではありません。
上司が「ホウ・レン・ソウ待ち」、つまり自分から部下へのコミュニケーショ
ンを放棄している職場、そして上司が「挨拶は部下からするものだ」と考えて、 朝一番に部下と顔を合わせでも自分から声をかけない職場は要注意です。

I自己アピールのために部下を指導する上司がいる職場
部下の指導はあくまでも「部下の成長を促すこと」を目的に行います。コーチ
ング(質問型指導)などを用いながら、部下とのやり取りに時間をかけて、部
下のことを思いながら行うべきものです。顧客や他の部下の前で自分の知識や優秀さを見せつけるために叱責したり、自分の上長や役員の前でだけ「自分はしっかり教育をしています」ということを自己アピールするような指導をしている上司がいる職場は要注意です。

見波利幸氏の著書「心が折れる職場」には、まだまだ多くの「要注意職場」が 指摘・紹介されています。まだお読みでない方は是非お読みください(終)。

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